燃えるマシュマロ

海外アニメ映画関連の書き散らし(ネタバレ注意)

目的すらも日常となりそして『ソウルフル・ワールド』

 


Disney and Pixar’s Soul | Official Trailer | Disney+

 

鑑賞日:2020/12/31

 

 

ピクサーで久々によかった。エモかった。

 

 

 

抽象的な表現はインサイドヘッドの流れで、話のテーマはMUの発展形ぽい?
MUの「叶わない夢もあるよね(あるいは思った通りの形で夢がかなうとは限らないよね)」という話から、今作の「夢がかなってもそれはやがて日常になっていく」「目的だけが人生じゃない」というさらに一段階進んだ大人目線になってるな~と感じました。ある意味ディズニー(「夢はかなう」)へのアンチと言ったら言い過ぎか。
最後は含みのある終わり方でしたね。けどバンドやってから音楽教師やってもいいと思いますけどね(実績的な意味で)。

 

ジョーが22番にピザを食べさせるくだりでなぜか泣いてしまった。その前のピザが体をすり抜けるシーンも踏まえて、お腹がすくことも、ピザを食べて満たされることも、現実の身体感覚あってのことというか。上手く説明できないけど。

 

ジェリーの「目的だのなんだの、メンターはそればっかり」みたいなセリフが心に残りました(うろ覚えですが(;´∀`))。最近読んだ『残酷な進化論 なぜ私たちは「不完全」なのか』という本の序章で「台風は熱エネルギーを食べて発生し、エネルギーが無くなると消える。生物の存在もこれに似ている。だから生きる意味とかそんなに考えすぎなくていいんじゃないか」みたいなことが書いてあって、それと通じるものを感じました。
ジェリー達は魂を性格付けしてどうするつもりなんでしょうか…でもやっぱり「目的なんかない」んですかね? このユーセミナーの世界も、遺伝子などが人間を性格付けするプロセスのメタファーでしかない?とか?

「地上じゃないから魂はつぶれたりしない」みたいなセリフはちょっぴりダークで笑った。ドリワっぽい。なんかヤバそうな性格の子がいるのも。

 

ムーンウィンド、人間なのにあの魂の世界に行けてすごい。働いてる間じゅうあの世界にいるってだいぶ羨ましいんですが。
スピリチュアルな要素がアナ雪に続きこっちも出てくるけど、スピリチュアルな人たちが好きそうな「魂の使命」みたいなことは否定してるのが面白いなと。
アナ雪2が「これが私の生まれた意味!」とかやった後で「人生に立派な目的なんてなくていい。ただ生きてるだけで素晴らしいんだ」みたいなことをやってるの、なんかズートピアで「肉食と草食で争ってて…」ってやってるときにアーロが「肉食恐竜は畜産をやっていました」で終わらせてたのを思い出させてなんか笑ってしまった。やっぱりピクサーの方がすき。

最後の「お前には何の目標もないし価値もない」の罵倒のところから22番を救い出すところでまた泣いてしまった。


ただ自分、ぶっちゃけて言うと反出生主義者なので、22番の「生まれたくねー」という思いも全然アリだと思った。
(最後、彼女が落ちていってるの多分東アジアっぽく見えたので、田上よしえのギャグ「いい人は天国に、悪い人は地獄に、普通の人は中国人に生まれ変わる」をちょっと思い出してしまった)


ラ・ラ・ランドと違って、ジャズの人名や用語なしで、この人はジャズが好きなんだなーってのがわかる演出良い。
初めてジャズと出会ったシーン、短いしガッツリ盛り上げてる感じでもないのにじんときた。
記憶の殿堂みたいなところ、洗濯機のそばに座るジョーの銅像に泣いた。そんな平凡な状況が立派な質感の銅像になってるっていうコントラスト。


頭でっかちそうなのにうまく馴染んでるのすごいな22番。
ファンドマネージャーいじられがち。
ネコチャンのたましい~~~~~~!!最後ちゃんと戻れたようでよかった!!
勘定係のテリー、古典的な気がするけどすき。自分で要求自分で受賞。


作画はまあいつも通り。
アート系の表現がすごかったですね。ただ予告で使われてたシーンくらいであんまり量は多くなかったのがちょっと残念。点描のペン画みたいな輪廻の輪生まれ変わりの道とか、ユーセミナーの世界へ落ちていくときのフレームみたいな表現とか。
砂のタタリ神みたいなやつ出てきた。
ジェリーたちの一筆書き、モダンなデザインでかわいい。めっちゃリアルなニューヨークに線のキャラがまじっているのは不思議で面白かった。
ただ架空世界ユーセミナーより、ニューヨークの街並みの再現にすごさを感じてしまう…。アニメーションはどんな世界でも自由に表現できるはずなのに。それとも現実と比較することでしかすごさが感じられない自分がセンスないのかな…。

 

ティナ・フェイってメガマインドのロクサーヌの人なのか!
でも今回は字幕で見たにもかかわらず、「日本語吹き替えで芸能人が声優やる時ってこういう演技の響きというか雰囲気になるよな…」っていう変な感覚がしました。ちょっと浮いてる感じというか。あんまりうまくないってことなのかなこれは…。

 

この映画も「アフリカ系キャラ自分の身体にいない」作品ですね。『プリンセスと魔法のキス』とか『スパイ in デンジャー』とか、なんか変身させられがちだなと思っていたのですが今度は入れ替わり。アフリカ系の主人公でそのままなのってスパイダーバースくらい?(ある意味変身はしてるけど) 何か理由があるんでしょうか。ゲット・アウト

 

 

 

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