燃えるマシュマロ

海外アニメ映画関連の書き散らし(ネタバレ注意)

歌いたくないなら無理しなくていいのよ『リメンバー・ミー』

 

リメンバー・ミー 4K UHD MovieNEX(4枚組) [4K ULTRA HD + 3D + Blu-ray + デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド]

 

鑑賞日:2018/08/14

 

だいぶ前に見たのでうろ覚え。

 

決してミュージカル映画ではなく、あくまで音楽映画なところにピクサーの歌うことに対するはじらいを感じました。

 

 

 

たしかピクサーを扱ったルポで「ディズニーは尊敬してるけど、歌ったり踊ったりはちょっと(笑)」みたいなスタンスだった、的なことが書かれてた記憶があるのでその辺も関係あるのかなと思ったり思わなかったり。
歌のシーンも
・主人公が自室で一人歌う
・歌のコンテスト/コンサート会場
・思い出の歌をふと思い出して口ずさむ
など歌っていても非現実的じゃない状況になっています。
またドラマチックな場面では鐘が落ちてきたり、水に落ちたりと歌が中断させられるシーンが目立ちます。これはやっぱ歌の世界に完全に没入することへの抵抗感があったりするんですかね…?
ラストの「Proud Corazón(音楽はいつまでも)」でも「おかしいって思うかな/君の夢をみたんだよね/僕は自然と歌い出して/君もみんなも歌い出して」と、人々が突然歌い出す不自然な状況をさらに夢の中に押し込めるという徹底ぶり(『魔法にかけられて』のパロディみたい)。
このピクサーの徹底的にミュージカル的なノリを排除しようとする姿勢は、堂々とアンチ・ディズニーを掲げるドリームワークスが意外にも?ストレートなミュージカルアニメーションを作っていることと対照的です。
(そういや『モンスターズインク』のマイクの適当ミュージカル(あの子をすぐに送り返そう~♪)なんてだいぶバカにしたノリでしたよね)
メリダ』もプリンセス物としてはなかなか異色な作りになっているあたり、ピクサーってディズニーに一番近いようでいて結構ずらしにかかってるスタジオなのかもしれませんね。近いからこそ、似たものにならないようにしてるのかな。

 

話は割と保守的というか…。
こういう家族の結びつきが強いタイプの家には生まれたくないなと思ってしまいました。家族のために音楽をあきらめる宣言をするシーンとかしんどい。ひいひいばあちゃん夫婦ももうちょっとどうにかならなかったのかとも思うし(子供が大きくなってから音楽やるとか、期限内に成功しなかったらやめるとか)。
というか『ニモ』や『メリダ』でちょっと子供を押さえつけただけで、親は大冒険させられたり熊に変身させられていたのに、この作品でおばあちゃんがあんなに主人公を抑圧してもなんの罰も受けないのはなんだか時代が変わったなという感じ。『アーロと少年』もそうですが最近「家族」の扱い方が雑な気がします。

 

ほかの家族たち(生きてる方も死んでる方も)は人数がいるわりに書き込みが薄く、賑やかし感が否めず。そこまで大家族の必要あるかなと思ってしまいました。
あとひいばあちゃんは死者の国に行ってもばあちゃんのままなんかい。

 

死者の国、独り身の人辛いシステムだなぁって。途中で成仏しちゃったおじさんとかそうですけど。生前の人気(どれだけ記憶されているか)が死後の地位に関わるっていうのは、なんかそんなSF(他人の評価が社会的地位になるみたいな。『マジック・キングダムで落ちぶれて』かな?未読ですが)ありませんでしたっけ。

 

憧れの人に裏切られるパターンが多い。アメリカのアニメ映画全体的に。今度全部まとめたい。

 

途中で前衛芸術家みたいな人が出てきて「この表現浅すぎるかしら…?」っていうギャグがありましたけど、こういうのもネタにするんですねピクサー。ちょっと意外。

 

作画はさすがですね。思ってたより『ブックオブライフ』と被ってなくて一安心(笑)
オープニングで死者の日の紙の飾りがアニメーションになってたところはおっ工夫してるなと思いましたが、そのあとはいつも通りのフォトリアルでしたね。
死者の国は全体的にディズニーランドぽかった。石畳と、あとずっと夜で人工的な光のシーンが多いからかな。ただでかい穴に落ちたシーンだけ自然光っぽくてちょい不自然だった。
コンテストのシーンで、ヘクターがミゲルに回って回って!と仕草で指示するところはさりげない演出ですごい良かった。
序盤で一瞬だけ出てくる靴づくりのシーンの空気感というか光の差し方がすごい、もはやiPhoneで撮影したよう(それは褒めているのか?)。

軽トラの小窓を通して見える寝そべったダンテがかわいすぎますね。ダンテは舌を引っ張っても怒らなさそう。